こんにちは、任意売却の専門家杉山善昭です。
私に寄せられるご相談は「家を売りたい!」というものが多いです。
しかも、私のところにご相談に来られる家を売りたい方は、
「本当は売りたくない人」がほとんど。
売りたくないけれど、売らざるを得ない。という方なのです。
さて、手放さざるを得ない方とは一体どのような状況なのか?
感の良い方はもうお気づきかもしれませんね。
そう、「住宅ローンが払えなくなってしまった方」です。
住宅ローン破綻というテーマで、これから何回かに分けて書いていきたいと思います。
実は、住宅ローンが払えなくなってしまう方には、ある共通の特徴があったのです。
今回は一回目ですから、最も多い事例を書きましょう。
住宅ローン破綻事例の中で最も多い原因は、
「自己資金を入れずに購入した」です。
ただし、注意しなければいけない点があります。
自己資金を入れずに購入したとしても、そこには二つの経緯があります。
まずは、「自己資金があるけれど使わなかった」です。
蓄えはあるけれど使わなかった方は、
何かの理由でその資産を温存しておきたかったわけです。
例えば、定期預金の満期が来るのを待っていたり、
途中解約すると利回りが悪くなる金融商品を持っているケース。
こういったケースの場合、蓄えを使う方が有利なのか、蓄えを使わない方が有利なのか?を検証して判断しています。
戦略的な自己資金不支出です。
こういった方はそもそも、資産形成をする経済的サイクルが確立されていますから、
毎月の収入-支出が常にプラスになっているわけです。
この場合、自己資金を使わずにマイホームを購入しても、危険は少ないです。
問題は二つ目。
「自己資金がなくて払えない」です。
確かに昨今、
銀行の住宅ローンは、100%融資や諸経費までまとめて融資する銀行があります。
しかしそれは、銀行がつくった金融商品にすぎません。
「融資を受けることができること」と、「返済ができること」はイコールではありません。
少々話がずれましたね。
自己資金がなくて払えない。原因はどこにあるでしょうか?
根本的な原因は
収入-支出=ゼロ
ということです。
過去、数十年の生活を続けていて資産がゼロということは、
今まで得た収入を丸ごと全部使ってしまった。ということになります。
このような方が、「家賃と同じ支払いなら…」という理由で購入してしまうと、
非常に危険です。
なぜなら、
マイホームを購入すると、住宅ローンとは別に固定資産税がかかります。
国民健康保険料が上がります。
賃貸物件の修繕費は大家負担ですが、マイホームは自己負担です。
マイホームを購入すると、住宅ローン以外に費用がかかるのです。
それからもうひとつ。
お子様の成長と共に、生活費も上昇する。という事実。
年功序列賃金が崩壊した日本では、
勤続年数の長さと収入が比例しにくくなっててきています。
収入の増加は期待できませんが、生活費の負担はほぼ確実に増加していきます。
消費税も増税される予定ですしね。
今回は、「住宅ローン破綻の原因」というテーマのうち、自己資金を入れずに購入した事例を書きました。
次回は、自己資金を入れずに購入するもう一つのデメリットについてお話しします。
お楽しみに。
住宅ローンが払えない場合の解決法に関する記事もお役に立つと思いますのでご覧下さい。
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